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芹香ストレスケア医療について


日本国内において年間の自殺者数は3万人を越え、その人的損失は大きく(交通事故による死者数の5倍)、自殺が深刻な社会問題となっています(日本の自殺死亡率は米国の2倍以上)。自殺既遂者の75%において精神障害の関与があるとされ、その46%がうつ病であると推定されていますが、我が国において精神障害に苦しむ方々の中で実際に治療を受けているのは半数以下であるとも言われています。さらに自殺で亡くなられた方々の周りにはその数十倍の人数の自殺予備軍ともいうべきハイリスク群が存在していると予測されます。医療機関を受診して薬物治療を受けた気分障害の患者様においても全体の約30%は薬物治療抵抗性(つまりお薬が十分な効果を示さない)であると推定されています。このような背景から、自殺ハイリスク群に対する精神科救急医療体制の充実と共に、(難治性の)気分障害に関する臨床研究が強く望まれています。
コンセプト
1) 神奈川県の自殺対策 (気分障害の急性期症例に対するニーズ)
2) ストレスケアの提供 (気分障害の慢性難治症例、復職支援に対するニーズ)
3) 臨床研究 (気分障害に対する包括的なアプローチ)
構成
ストレスケア専門外来
ストレスケア病棟(A2病棟:開放病棟)
急性期病棟(B1 / B2病棟:閉鎖病棟)
概要 平成20年度よりスタートした芹香病院“ストレスケア医療”は、ストレスケア病棟(開放病棟)、ストレスケア専門外来、急性期閉鎖病棟の3本柱で構成されています。自殺リスクの切迫した気分障害(うつ病や躁うつ病など)の急性期症例を県内から広く受け入れると共に、ストレスケア病棟を中心とした包括的なストレスケアの提供と、県内外からの難治症例を主な対象とした治療研究により県の自殺対策に貢献することを目的としています。芹香病院の救急・急性期病棟によって急性期症例への昼夜を問わぬ迅速な対応が可能となります。平成20年4月に新規開棟したストレスケア病棟は開放病棟であるため、希死念慮の切迫した病期には対応できませんが、開放病棟の良さを活かした専門性の高いストレスケア看護と復職支援体制を提供し、クリニカルパスなどを介して多職種チームが効率的に連携することを目標としています。治療面においてはストレスケア病棟では、クリニカルパスなどを活用した気分障害に対する標準的な治療を行います。また、ストレスケア病棟では気分障害の臨床研究を行うことも目的の1つと考えています。
対象疾患 1) うつ病
2) 躁うつ病
3) 特殊なうつ状態 (前頭葉機能低下症や東洋医学的な所見を伴ううつ状態)

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